WAGO Grid Gateway アプリケーションによるデジタル変電所

2022年6月20日
ネットワークの管理と運用を改善

ネットワーク事業者や自治体などの公共事業者は、エネルギー分野のデジタル化や新たな規制によって効率化を求められます。WAGO Application Grid Gateway は、電力網の運用者に、新規および既存の変電所のデジタル化を推進するためのソリューションを提供します。これにより、ネットワークの管理と運用を改善と、不必要なグリッドの拡張を回避できます。WAGO Application Grid Gateway とは何か、資産管理者およびネットワーク管理者にとってどのような利点があるか、ここで詳しく説明します。

WAGO Application Grid Gateway:ネットワークの管理と運用を改善

WAGO Application Grid Gateway は、デジタルデータを利用し、電力網の管理と運用効率の改善をサポートします。WAGO Application Grid Gateway は、中電圧と低電圧のグリッドネットワークのモニタリングを実際の正確な測定値に置き換えます。その結果、ネットワークの状態評価が向上し、資源効率の高いネットワーク調整と経済的なグリッド拡張の可能性が生まれます。WAGO Application Grid Gateway は、新規および既存の変電所のデジタル化を推進するためのコストパフォーマンスに優れたソリューションです。最大 80 チャンネルの測定と、ネットワークステーションでの受信データの前処理、秒単位の安全な転送、およびリモートモニタリングのための状態データの取得により実現されます。変電所あたり15 個の低電圧出力を持つ変圧器を 2 台までデータ収集することが可能です。

WAGO Application Grid Gateway とは?

WAGO Application Grid Gateway は、簡単なパラメータ設定により、変電所内の小規模な遠隔制御システムを簡単に運用できるようにするアプリケーションです。測定データの保存と転送、および可視化は、WAGO PFC200 プログラマブルロジックコントローラ(PLC)によって処理されます。この PLC は、小規模な遠隔制御システムとして変電所に設置されます。WAGO Application Grid Gateway では、1 台の WAGO PFC200 で中電圧と低電圧用の 2 台の変圧器から各 15 チャンネルの出力データを取得できます。

中電圧、変圧器、低電圧出力の測定値、ステータス信号、温度データは、IEC 60870-5-104を介してネットワーク制御システムに送信されます。コマンドや設定値も受信して処理することができます。短絡 ・ 地絡検知信号や PQ* 測定器などの外部測定システムからのデータは、Modbus®® を介して読み出すことができます。全体のコンフィグレーションを保存し、必要に応じて他のステーションに読み込ませることができます。

測定データのシミュレーション機能により、ネットワーク制御システムからステーション設置者の場所で新しい変電所の試運転を行うことができます。現場側を接続する必要はありません。

このアプリケーションには、HTML5 の Web ビジュアライゼーションが統合されており、分散型データ収集により収集したデジタル変電所のデータを前処理して、異なるユーザーグループ向けに明確に整理することができます。ファームウェアは BDEW ホワイトペーパー規格に基づきセキュリティが強化されており、通信コンセプトは ISMS に準拠しています。

*Power Quality(電力品質)

ネットワーク事業者にコスト削減をもたらす追加アプリケーション