WAGO 製品には、数世紀にわたって実際に証明されてきた材料を使います。それでもなお新しい材料の研究とテストは絶えず行っています。これはアルミ線を WAGO スプリングクランプに接続するときに使う必要があるコンタクトペーストにも適用されます。
WAGO の材料特性およびアルミ電線の接続
材料特性の概要
ナイロン (PA66)
WAGO は改良されたハロゲンフリーで難燃性のポリアミドを使用しています。
材料は腐食性で、発火し難く、自己消化性 (UL94、難燃グレード V0) の特性があります。使用されるポリアミドは UL 746C に従っており、UL インデックス RTI 機械的衝撃値に基づいて 105 °C (221 °F) の連続動作温度を持っています。
これにより必要な電気的、機械的絶縁特性は、長期間十分保証された形で維持されることになります。短時間使用上限温度は
200°C です。使用下限温度の範囲では、−35°C までは絶縁材料が損なわれないことと定められています。取り付けと配線がされた後、WAGO 製品は −60°C までも使用することができます。ポリアミドは周囲の湿気 (通常の環境で 2.5 % まで) を吸収しますので、適切な弾性、強度および耐性を持ちます。WAGO のポリアミドは、目的の用途でオゾンや紫外線によるダメージを防ぐのに十分であり、長年にわたって実際の使用での基本的な安定性が証明されています。ポリアミドはほとんどの厳しい環境に対し優れた復元力があり、熱帯地方でも使用できることが証明されています。ポリアミドで作られた絶縁部品は虫に対して耐性があります。この材料は微生物に必要な酸素や他の生体要素を発生しません。嫌気性の地中バクテリア、かび、真菌類、および酵素などの存在によって材質の劣化が起きることはありません。ポリアミドにはガソリン、油類、脂肪類、また良く使用されるアルコール、フレオン、フリゲン、四塩化炭素などの洗浄剤に対する耐性があります。耐酸性は酸の種類や濃度により、また触れた時間によっても異なります。
WAGO 社内生産中に絶縁材料の使用が行われるのは、工場テスト認証と規定材料テストが了承された後のみです。
グラスファイバ強化ナイロン(PA 66 GF)
WAGO はレバー、プッシュボタン、強いストレスが加わるハウジングなど、機械的な要求度が高いコンポーネント用にグラスファイバ強化ナイロンを使用します。この材料は非強化ナイロンに比べ、非常に優れた機械的特性を持っています。一般的に優れたトラッキング抵抗を持ち、難燃性があり、耐高温性を持っている材料が使用されます。
詳細データは表をご覧ください。
ポリフタルアミド (PPA GF)
高性能のグラスファイバ強化ナイロンは、その高い熱寸法安定性、低い環境条件依存、またすぐれた強度特性などにより、高温用途用に大変適しています。材料が非常に優れたトラッキング抵抗を持っていることにより、沿面距離が短い製品を実現することが可能になります。防火機器により、壁が極めて薄くても UL94 難燃グレード V0 のクラスが可能になります。PPA GF は大気から微量の湿気を吸収するため、THR はんだ付け用途や薄い壁で寸法安定性があるコンポーネントにとって最適なものです。
詳細データは表をご覧ください。
ナイロン (PA4.6)
PA 4.6 は PA 6.6 に対し、かなり高い加熱たわみ温度を備えています。PA 4.6 の機械的負荷を伴う継続温度耐性は115 ℃ になります。
WAGO の PA4.6 タイプは、短時間なら 280 ℃ まで使用することができます。
詳細データは表をご覧ください。
ポリカーボネート (PC)
ポリカーボネートは熱に対し優れた寸法安定性があります。電気的および機械的特性は、UL イエローカードに従って約 120℃ までの極めて高い温度でも変化することはありません。この優れた電気的絶縁特性と寸法安定性は、湿度や温度などの環境条件とは事実上無関係です。高精密のコンポーネントは、射出成型中に材料の収縮を少なくすることにより作り出すことができます。ポリカーボネートは優れた耐候性を持っており、高エネルギー照射にも強い耐性があります。PC が着色されない場合、コンポーネントは透明になります。寸法安定性、耐熱性、難燃性、耐久性、透明性などの望ましい特性により、PCは電気業界で立証され、広く使われている材料です。最終製品に課せられた要求事項に応じて、WAGO は UL94、難燃性グレード V2 または V0 のポリカーボネートを使用します。化学物質に優れた耐性を持っている、中間粘度の PC が使用されます。
ポリブチレンテレフタレート (PBT)
ポリブチレンテレフタレートは、耐久力と共に硬さと強さのバランスのとれた組み合わせ、熱たわみ耐性、また優れた寸法安定性などがあるため使用されます。
電気的および機械的特性はハイレベルであり、周囲湿度によって影響を受けません。防火機器は通常汚染物質は含まれず、材料は難燃グレード V0 です。
グラスファイバ強化ポリブチレンテレフタレート (PBT GF)
グラスファイバ強化ポリブチレンテレフタレートは、特に壁が薄くても機械的、電気的特性が非常に良いことで際立っています。
PBT GF タイプは難燃グレード V0 でもあり、WAGO の他のプラスチック同様汚染物質を含んでいません。
WAGO の製品は全て銅線を接続するように作られています。ただし以下の例外があります：
WAGO スプリングクランプ端子台にアルミ単線を接続する時には、"Alu-Plus" コンタクトペーストをご使用下さい。
アルミ電線の低導電率に合わせて、定格電流の低減を考慮して下さい：2.5 mm2 = 16 A および 4 mm2 = 22 A
注射器
内容: 20 ml "Alu-Plus" コンタクトペースト
型番: 249-130
包装単位 20 (4 x 5)
使用領域
"Alu-Plus" コンタクトペーストを使用すると、4 mm2 までのアルミ単線 (1) を WAGO スプリングクランプに接続することができます。
以下は PUSH WIRE® スプリングクランプ接続および Push-in CAGE CLAMP® 接続方式に適用されます:
アルミ電線をクリーニングしたりグリスを塗ったりする必要はありません。端子台やコネクタの電線穴に小型の注射器を使って "Alu-Plus" コンタクトペーストを注入するだけです。腐食の跡（黒変）があるアルミ電線は、機械的にクリーニングする必要があります。この場合は未処理のアルミ単線を接続することができます。
CAGE CLAMP® スプリング接続方式の端子台を用いたとき、アルミ電線は最初にブレードで汚れを落とし、その後すぐにクランプユニットに挿入して "Alu-Plus" コンタクトペーストを満たす必要があります。
(1) アルミ電線：IEC 61545 規格, クラスB, "合金1370" に準拠; 引張強度 90 -180 N/mm2 伸張度 1 - 4 %
基準値: 引張強度 90 - 180 MPa, 伸張度 1 - 4 % (EN 615.4.1 に準拠)
WAGO "Alu-Plus" コンタクトペースト
接続前にアルミ電線の全面に WAGO "Alu-Plus" を追加することも可能です。
使用例
注射器入りのWAGO "Alu-Plus" は、アルミ単線を接続するとき優れた信頼性と清潔性を保ちます。充填は以下の 2 種類の端子台で行われます - 例で示したように素早く。
"Alu-Plus" の注射器のノズルを、最初は WAGO ライティングコネクタの丸い電線挿入口に、次に開いた四角い電線挿入口に挿入します。
"Alu-Plus" が両方の電線挿入口を満たすまでプランジャーを押し込みます。
注：高温での使用には適しません！
"Alu-Plus" が全ての電線挿入口を満たすまでプランジャーを押し込みます。
各電線挿入口に：
"Alu-Plus" の注射器のノズルを、開いた電線挿入口全てに次々と挿入します。
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