掘削プラットホーム上のシステム配線は大きな課題です。WAGO-X-COM®S-SYSTEM は現場の作業を最小限まで減らします。
海上掘削リグ上で重要な技術的コンポーネントが故障した場合、緊急対応が迫られることがよくあります。ほとんどの場合、専門家がヘリコプターでできるだけ早く飛んで行く必要があり、しばしば厳しい条件の下で複雑な修理を行わなければなりません。ある著名なヨーロッパの掘削装置メーカが、メンテナンスが楽で省コストの代替策を求め、WAGO X-COM®S-SYSTEM のコンポーネントを用いたソリューションを開発しました。
予定外のアイドル時間は、掘削プラットホーム上だけでなく重大な問題です。装置やシステムのメンテナンスは、海洋および鉱山の運転で、またポンプ場でも費用のかかる仕事です。遠隔地またはアクセスが困難な場所でのメンテナンスや維持は、通常の点検よりも明らかにかなり複雑です: 最初は専門技術者が出張を引き受けなければなりません; 彼らはいつも困難な状況下で働くことになります; 次に故障の原因を突き止めますが、多くは狭い作業スペースで行います; そして広範囲の配線作業を実施します。このような状況下で作業をするのは多大の時間を必要とし、エラーも起こしやすくなります。
ある掘削装置メーカはこの大きな厄介者に飽き飽きしました。彼らのシステムがヘリコプタや飛行機で届けられるだけでなく、技術者を運ぶことで恐ろしいほどの旅費が発生しました。そこで求めたのが、モジュールの交換が簡単で、システム配線時の時間とコストを最小限にし、最初から配線間違いを防ぎ、Ex 領域で使用が可能で、最終的に精密装置のダウンタイムを減らせるような制御盤のコンポーネントです。
マーキングを明確にしたコンポーネントは専門家の必要がなく、安全で確実な取り付けを容易にします。
掘削装置メーカは WAGO 製品でうまくいくことが分かりました: Minden の接続技術専門家によるソリューションは X-COM®S-SYSTEM の使用です。"Ex nA" 保護タイプがあるプラグ式レールマウント端子台を取り付けることで、モジュール全体を以前より簡単、かつ速く交換することができます。WAGO のアプローチは広範囲の現地での配線設備を除去し、これを完全に組立済みのモジュールと交換するという思考プロセスに従いました。WAGO はプラグ式レールマウント端子台システムを工場で組み立てるため、掘削リグ上のシステム配線は最小限に減らされ、大幅に簡素化することができます。
システム専門家がシステムの点検やセットアップ中に現地にいることを除くため、WAGO は初めから間違った組み合わせを除外することができます。これは顧客の要望に応じて、端子を同極グループで機械的にコーディングすることによって可能になります。短いロッキングレバー (工場出荷時搭載) を付けた場合、不測の切断は発生しにくくなります。コネクタプラグの取り外しは工具を使ってのみ可能になりますが、これは安全性を考慮してのことで、特に危険区域での慎重を期する用途が対象です。X-COM®S-SYSTEM はその機械的な構造の故に、取り外したときでさえ導電部には手が触れないようになっています。詳細に作られたマーカストリップは最大 3 行の文字情報が印刷できるため、交換コンポーネントを明確に識別することができます。モジュールマーカは、初期設置用または後配線適応用システムドキュメントから直接作ることができます。
WAGO のモジュール設計のお蔭で、重要なシステムコンポーネントは最終取付用にテスト済み、かつ配線済みのサブアセンブリとして現地に到着可能で、交換部品は設置場所で保管もできることになります。
X-COM®S-SYSTEM のお蔭で、掘削リグを作動させるのに新しい状況が作られました: 重要なシステムコンポーネントは最終取付前にメーカで既にテストされ、組み立てられた部品として現地に到着可能で、交換部品は設置場所で保管もできることになります。コンポーネントが故障した場合、これは現地の担当者により容易に交換をすることができます。不良部品は故障解析のためメーカに返却されます。全体として、新しいプロセスはシステムのダウンタイムを減らすだけではなく、掘削プラットホームに出張しなければならない専門家を移動させるのに要するコストを削減することにもなります。
著者: Benjamin Böhm
写真: Getty Images by Digital Vision
